第78章

排水室には湿気が立ち込め、コンクリートの床は冷たく滑りやすい。遠くから南山別院の方向で起きた爆発の余韻が響いてくる中、藤原眞義は暗がりに佇んでいた。その手に握られた注射器が鈍い紫色の光を放つ。まるでビジネスの商談でもしているかのような、平坦な口調だった。

和也の銃口にブレはない。その鋭い視線を藤原眞義に突き刺した。

「藤原家に、あんたのような人間はいない」

藤原眞義はふっと笑みをこぼした。

「当然だろう。藤原家が知られたくないと願うものは、いつだって巧妙に隠蔽されてきた。たとえば藤原武光が死んでいないこと、たとえば私が生きていること。そして――藤原家が二十年前から人を喰らってきたこと...

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